【新製品】クラウドネイティブなセンシングコントロールGW「MORAT GW」の販売を開始いたします





 

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株式会社 KYOSO(本社:京都市、代表取締役社長:岡田恭子)は、市販のFA機器を用いてクラウドによるセンシング・コントロールを実現するゲートウェイ、商品名「MORAT GW」をIoT.kyotoブランドにおいて販売を開始いたします。MORAT GWは「MOdbus to Rest Api Transfer GateWay」の略です。

MORAT GWの実現にあたっては、株式会社ソニーコンピューターサイエンス研究所(以下、ソニーCSL)、大和ハウス工業株式会社(以下、大和ハウス工業)によって開発されている、Node.jsベースのオープンソース IoTゲートウェイ PicoGW(※1)をベースに、建築設備制御を行う「PicoGW modbusプラグイン」、計測データの蓄積や制御ロジックのプログラミングができる「NanoGW(※2) official macro plugin」の技術ライセンス提供を受けています。

本製品を2019年11月27日〜29日に東京ビッグサイトで開催されるIIFES 2019にて展示いたします。
 
【関連リンク】
【ソニーCSL 】NanoGWを技術ライセンス
【IoT NEWS】KYOSO、クラウドによるセンシング・コントロールを行うゲートウェイ「MORAT GW」を発売

 

開発の背景

近年、スマートファクトリーや自動運転などコア技術要素としてIoTの重要性が高まっています。その基本機能は、センシングしてそのデータをもとにコントロール(アクチュエート)することにあります。IoTはInternet of Thingsの略である通り、モノ(デバイス)をインターネットに接続しデバイス・通信・クラウドが協調することでその目的を達成します。ところが、低コストで柔軟に構築および変更が可能なクラウド側に比べ、デバイス側の自由度は低く、ときには適したデバイスが市販されておらずカスタム製作せざるを得ない場合もあります。
一方、「センシング・コントロール」部分を切り取ると、FAを始めとする産業分野で長きにわたり培われてきた技術やデバイスが世の中に多数存在しています。ソニーCSLおよび大和ハウスは、かねてよりスマートホームに関する要素技術の開発やデータ活用の実証を行っており、NanoGWなどのソフトウェア・サービスや、住宅 API(※3)といったインターフェース技術を提案しています。これらのデバイスや技術を活用することでより低コストで信頼性の高いIoTシステムが実現できるものと考えます。

MORAT GWの特徴

センサーとアクチュエーターを古くから産業分野で用いられてきたModbus RTU規格でMORAT GWに接続し、センシングデータの収集やアクチュエーターによる制御を行います。機器同士はRS-485インターフェイスにより2本の細いワイヤをデイジーチェーン(数珠つなぎ)で接続します。非常にシンプルなシリアル通信プロトコルである Modbus RTU規格でデータをやり取りすることで、安定したセンシング・コントロール環境を実現します。また、Modbus RTUに対応したセンサーやアクチュエーターは、機能性に優れ安価なものが多数市場に流通しており、入手性も良好です。
MORAT GWは市販の産業用 GW(ぷらっとホーム社製OpenBlocks IoT)を用い、Modbus RTUプロトコルをクラウド側に適したAPI(Web技術によりクラウド側とデータをやり取りする口)に変換することに専念し、データ収集や解析、アクチュエーターの制御などは全てクラウド側で行います。これにより、設置後の機能拡張や制御ロジックの変更を容易に行うことができます。また、MORAT GWにはソラコム社の提供するSORACOM Air SIM(※4)を内蔵しており、携帯電話網の電波が受信できる場所ならどこでも設置することができます。さらに、ソラコム社の各種IoTサービスを利用することで、閉域網下でのデータ送受信やセキュアなリモート接続によるMORAT GWの設定変更が行えるなど、高いセキュリティのシステムをご提供します。

可視化・アクチュエート

無料のWebアプリIoT.kyoto VISを使って簡単にセンシングデータを可視化することが できます。また、電力デマンドコントロールに特化したダッシュボード画面もご用意してい ます(有償)。お客様のご要望に応じた画面の開発も可能ですのでご相談ください。 アクチュエートロジックにつきましては、要件を伺って個別見積もりとなります。

<MORAT GW 接続概念図>
 

活用例(電力デマンドコントロールデモ)

MORAT GWを用いて、電力を高圧受電している工場などで電気の使いすぎを監視・自動制御する仕組みである「電力デマンドコントロール」を行います。用いるのは MORAT GW、市販の電力モニタ(約2万円)、Modbus制御リレー(約2万円)に加え、CO2/温湿度センサーも接続しています。デモ動画でドライヤーのスイッチをONにすると電力を可視化したグラフの値が上昇し、その後青色のファンが回っているのが分かります。これは、クラウド側で電力のしきい値を超えたことを察知し、リレーを制御しファンが回っているのです。電力モニタやリレーは、デイジーチェーンで数十台接続することも可能です。これまでの電力デマンドコントロール機器に比べ、非常に低コストで同等以上の機能を実現可能です。
 


 

導入事例(実証実験)

東亜紡織株式会社様(トーア紡グループ)の宮崎工場他、計2箇所においてMORAT GWによる電力デマンド監視の実証実験を行っています。
  【IoT NEWS】 トーア紡、OTとITの技術をうまく融合し、電力消費量を最適化

  
  

海外パートナー

KDDI社の技術パートナーとして、KDDIシンガポール社およびKDDIマレーシア社と共同で現地におけるマーケティング活動を開始しています。 今後、海外の工場やオフィスビルでもご活用いただけるよう、供給体制を整えてまいります。
Cloud Expo Asia Singapore 2019に協賛、出展
KDDI マレーシア 「SMART MANUFACTURING Adoption in Industries」 で講演

  
 

販売価格(税抜)

MORAT GW本体        180,000円 
 ※Modbus機器5台分の設定費用を含みます 
Modbus機器追加        5,000円/台
 ※初回設置時、6台目以降
設置後のModbus機器追加費用  40,000円
 ※Modbus機器を2台以上追加する場合、2台目以降は5,000円/台追加
クラウド構築費         120,000円
 ※初回のみ
現地設定費          50,000円
 ※交通費別途、訪問1回
Modbus機器調査費      30,000円~
 ※当社検証済み機器以外を接続される場合のみ
IoT.kyoto VIS       無料
電力デマンドダッシュボード    300,000円~
 ※導入例 https://iot.kyoto/usecase/2017/05/30/2547/ 
保守費用           10,000円/月~
  • 価格は予告なく変更することがあります
  • Modbus機器の調達および設置、配線工事はお客様において手配ください(一般的なFA機器の設置工事と同等です)
  • MORAT GW1台あたりのModbus機器の接続台数が増えるほど、全台からのデータ収集にかかる時間は増加します
  • MORAT GWの主な動作仕様(※5)
    電源:DC10-48VまたはAC100V(付属のACアダプタ)
    動作温度:-20℃〜+60℃
    動作湿度:20%〜80%Rh(結露なきこと)
(※1) PicoGW概要
https://toyhack.club/2019/03/picogw-overview/
 
(※2) NanoGWはソニー株式会社の登録商標です。
(※3) 住宅APIは大和ハウス工業の登録商標です。
 
(※4) SORACOM Air詳細
https://soracom.jp/services/air/

(※5) 動作仕様詳細
https://openblocks.plathome.co.jp/products/obs_iot/vx2/spec.html