リモートアクセスサービス(SORACOM Napter)を利用して鉄道設備の稼働ログを遠隔監視する(インタビュー)

※掲載画像はイメージです

顧客名

 株式会社てつでん様

概要

SORACOMのリモートアクセスサービス(SORACOM Napter、以下Napter)を活用し、鉄道設備からの簡便なデータ収集の仕組みを構築。Iot.kyotoは、てつでん様が鉄道事業者向けに提供予定の鉄道設備用センサーの開発プロセスを効率化する目的で当ソリューションをご提供いたしました。

開発評価目的で線路沿線に設置した鉄道設備用センサーの稼動ログを産業用LTEルーター経由でオンデマンドで収集します。安全なリモートアクセスを実現する手段としてNapterを活用しています。従来であればデータ収集のためにわざわざ現場に赴く必要がありましたが、Napterを利用することでインターネット環境さえあればどこでもログデータを取得できるようになりました。

従来であれば、このようなリモートアクセスの仕組みを構築するには大掛かりな仕組みが必要であり、相応のコストがかかっていました。今回は、事前に現地設備のネットワーク情報を伺い、産業用LTEルータにNapter用のポートフォワードの設定を行ったものを発送し、現地の接続テストを行うまでわずか1週間程度の短納期でIoTシステムのネットワーク部分を構築できました。

今回、導入事例を公開するにあたり、株式会社てつでんの担当者様にインタビューさせていただきました。

——今回の導入にあたり、IoT.kyotoを選んでいただいた理由を教えてください。

以前、同じような鉄道設備のIoT化を御社にお願いしたところ、こちらの要望に答えていただき、価格面、導入後の運用、アフターフォローもしっかりしていたため、今回もお願いしようと決めました。

——鉄道設備のIoT化に対し、期待されていることはありますか?

大きく2つあります。1つは鉄道設備のデータを遠隔で監視するため、直接鉄道設備まで見に行かなくてもよくなり、現場作業員の方の省力化ができるということ。もう1つは実際に運用しはじめてからの話にはなりますが、現状1〜2ヶ月ごとに現地を訪れてデータを確認していたため、機器の不具合もその時にチェックしていました。今後は遠隔で1〜2日の頻度でデータをチェックするため、機器の不具合も早く見つけられるのではないかと期待しています。

——今後の展開についてお聞かせください。

今回の鉄道設備データの遠隔可視化については現場作業員の方の労力を省力化することを第一の目的としています。今後は鉄道設備のIoT化に加えて、駅やホーム上におけるお客様サービス向上や駅業務員の方の労力省力化に貢献できる分野、安全や防災に関わる分野のIoT化を提案したいと考えています。

また、今回のリモートアクセスサービスを利用することにより、沿線にケーブルを引く必要がなくなりました。これまで鉄道業界では通信にケーブルが必要で、ケーブルを引くという作業に手間が掛かっていました。無線で通信できるようになることで、今後沿線でできることが更に広がっていくと考えています。

まとめ

株式会社てつでん様とは今回公開した事例以外にもIoT化に関わる様々な案件でIoT.kyotoへお声がけいただいています。今回ご提供した産業用LTEルーターは今後、沿線の鉄道設備に設置していただきます。実際に設置したことでどのような効果があったか、今後もヒアリングを続けてまいります。

インタビューの中で、今後鉄道のIoT化を更に展開し、様々な提案をしたいと伺いました。今後当社としても鉄道とういうライフラインに密接に関わるIoT化にご協力していきたいと考えています。