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顧客名
株式会社てつでん様
概要
てつでん様は踏切や架線、橋梁など鉄道沿線の設備保守のため、鉄道沿線に分散設置した監視カメラ映像や鉄道設備の稼働状況を統合遠隔監視するサービスを計画されました。当初はクライアントサーバシステム型の監視アプリを検討されましたが、鉄道会社様にサービスとして提供するにはコスト面、セキュリティ面で懸念点が多く、実装が難しいと考えられ、IoT.kyotoにご相談いただきました。
最新のクラウドサービスを活用することで、よりシンプルかつコスト効率が高く、セキュリティも考慮したWebアプリを開発し、てつでん様よりリモート接続管理Webアプリ「てつでんカメラサービス」としてリリースされました。
今後も機能拡充を行い、遠隔監視統合プラットフォームを目指されており、IoT.kyotoも引き続きご支援してまいります。
SORACOMのリモートアクセスサービス Napterを活用。Webアプリを使って監視カメラや鉄道設備にリモート接続し、カメラ映像や設備の稼働状況をWebブラウザで閲覧します。鉄道設備側はLTE回線を利用するので、設置が容易でクラウドまで閉域網で接続され、非常にセキュアです。また、クラウド環境は全てサーバレスアーキテクチャで構成しているため、高可用性と低コストの両立が期待できます。
プロトタイプのアプリケーションをWebアプリ化する計画を立て、仕様を考えていましたが、よりシンプルでコスト効率の高い構成を提案いただきました
——リモート接続管理Webアプリを開発するにあたって、どのようなビジネス課題を感じられていましたか?
現地に分散設置したカメラを遠隔で監視するシステムを作り、当社の顧客である鉄道会社様に提供しようと構想していました。ただ、通信環境や鉄道会社様のカメラ映像の使用頻度を考慮するとカメラを使った遠隔監視システムで多く導入されているクラウド環境での録画や仮想的に集約するVMSを活用する方法だと、想定していた要件やコスト面で一致せず、また鉄道会社様が業務で使用するパソコンにアプリケーションをインストールすることにセキュリティ面からもハードルが高いという課題がありました。業務で使用するパソコンでWebブラウザを使用し、オンデマンドでカメラに接続できるリモート接続管理アプリを提供するには既存の仕組みでは難しいと考えていました。また、カメラにとどまらず、現場でLAN接続することで閲覧できる設備稼働状況確認画面も遠隔監視できるようになればと考えていました。
そこで、我々がプロトタイプで作成していたクライアントサーバシステム型のアプリケーションをWebアプリ化できないか、IoT.kyotoさんに相談しました。想定する要件をお伝えしたところ、我々が考えていた仕様よりもさらにシンプルにコスト効率の高い、SORACOM Napterを使用したリモート接続管理アプリの構成をご提案いただきました。
——リモート接続管理Webアプリを発売していかがでしたか?
鉄道会社様はセキュリティ面でクラウドの利用に抵抗があるのではないかと考えていましたが、手軽さやセキュリティの強固さにご納得いただいたようで、多くの引き合いをいただいています。
検討時点では導入コストや月々発生する稼働コスト、またセキュリティ面に不安を感じていました。しかし、AWSサービスやSORACOMサービスを利用しているため、使った分だけの課金で済みますし、セキュリティ面に関してもIoT.kyotoさんにご提案いただいて、WAF等の適切なセキュリティ対策を行なっていただきました。
鉄道会社様へリモート接続管理Webアプリを導入するにあたり、セキュリティについては鉄道という社会インフラとして、鉄道会社様によっては独自のセキュリティポリシーを満たす必要がありました。クラウド環境を活用するにあたり、アーキテクチャを丁寧に説明することで、ご納得いただくことができました。
——今後の展望やIoT.kyotoに対するご要望ををお聞かせください
将来的には、IoTセンサーや情報機器などとも連携し、「鉄道設備管理プラットフォーム」として拡張させていきたいと考えています。
本サービスの構築に関して、要件を検討したり、活用するサービスやシステム構成を考えたりしていましたが、IoT.kyotoさんからよりシンプルな構築でセキュリティ対策に関しても考慮していただき、コスト効率の高いSORACOMサービスやAWSサービスを活用するご提案をいただき、より良いサービスを作ることができました。IoT.kyotoさんがSORACOMさんやAWSさんとパートナー関係ということもあり、今までの知見や強みを活かし、ご提案いただいたと理解しています。
今後もよりよいご提案をいただけることを期待しています。
まとめ
SORACOM Napterは、いわゆるリモート接続サービスであり、セルラー回線を通じて遠隔でWeb画面やターミナル画面に接続することを目的に使用します。通常はSORACOMコンソールからNapterの接続作業を行いますが、本事例ではAPIを利用し、カスタム開発のWebアプリからNapter接続を行うことで、複数のリモートデバイスを統合監視する仕組みを実現しました。
AWSやSORACOMのAPIを活用した、サーバレスでセキュアなWebアプリはIoT.kyotoの得意領域のひとつですので、お気軽にご相談ください。