MORAT GWでプラントに設置する実験設備を遠隔監視する

顧客名

三菱ケミカル株式会社様

概要

プラントの実験設備における各種センシング及び緊急停止を目的として、MORAT GWを導入いただきました。設備の稼働状況を監視するために温度や圧力など様々なアナログセンサーが設置されており、MORAT GWを通してクラウドに計測データを収集し、遠隔監視を行います。また、SIMが内蔵されたボタンデバイスを押すだけでどこからでも設備を緊急停止させることができます。

これらの仕組みは、MORAT GWと市販のModbus RTU対応産業用デバイスを用いることで短期間・低コストで実現可能です。

製品紹介



木板にアナログ信号入力・接点出力に対応したI/Oモジュールや端子台を組み付けて納品しました


MORAT GW

市販のModbusRTU 対応センサーやアクチュエーターを本製品に接続し、センシングデータの収集やアクチュエーターの制御を行う。
※現行モデルとは外観が異なります

SORACOM LTE-M Button for Enterprise

3種類のクリックに応じたアクションをクラウド側で設定できるIoTボタンデバイス。LTE-M通信を内蔵し、単四電池で駆動するため、屋外でも利用可能。

I/F 一覧

I/Fch 数接続仕様
アナログ入力
熱電対1熱電対 接続
電圧15入力電圧レンジ:-5~+5V
I/O
接点出力2ドライ接点出力
SORACOM LTE-M Buttonと連動
電源
電源入力1DC24V


三菱ケミカル株式会社 竹内様にインタビューを行いました。

様々な製品を試し、使いやすさと対応の速さ、価格が決め手になりました

—— MORAT GW、IoT.kyoto CurrenTIAを導入する以前、どのような課題がありましたか?

三菱ケミカルではお客様のお困りごとに対して、実験施設(ラボ)での実験を行います。この時、24時間運転を行う場合は誰かが監視することができるのですが、お客様の実環境に近い環境で実験装置を使って実証実験を行う場合、誰かが常に監視することは難しいです。
例えば、お客様の環境に近い環境がお客様の所有する設備内であれば、お客様に許可をとったり、お客様にご提示いただく条件をクリアして監視する必要があり、どうしてもハードルが高くなってしまいます。
そこで、この監視を遠隔地や出張先のホテル内など、お客様に配慮いただく必要がない状態で行いたく、今回の導入を検討いたしました。


遠隔監視装置

—— MORAT GWを導入する前にIoT.kyoto CurrenTIAをお試しいただきました。MORAT GWを導入する決め手は何かございましたか?

IoT.kyoto CurrenTIAの使いやすさと対応の速さです。実は今回のプロジェクトでは他の企業様にも様々な製品をご提供いただき、試させていただいていました。機能面と対応の速さ、どちらも揃っていたのがIoT.kyotoでしたので、MORAT GWの導入を決めました。また、価格も決め手のひとつでした。

—— MORAT GWの設置は三菱ケミカル様にお任せいたしました。設置の様子はいかがでしたか?

特に迷うことなく、順調に設置ができました。ただ、今回納品いただいたボードはBOXに収まらなかったため、BOXに合わせたプラスチック板に移設いたしました。また、今回屋外に設置しているため、新たにケーブルを外に出す必要があり、新しく穴を開けるか、既に空いている穴に押し込める必要がありました。今回は既にある穴に押し込むだけで解決しています。


—— MORAT GWはどのように活用いただいていますか?

今回、MORAT GWは実験装置に使っています。 実験装置は不具合が起こった場合、何が原因かを知る必要があるため、どのような動きをするか全て把握しなければなりません。例えば、タンクの水位や配管の中の流量や圧力を見たり、ポンプの電流値を確認し、不具合の有無を判断します。
更にSORACM LTE-M ボタンを実験装置の制御に使っています。既に装置には自動停止できる機構が搭載されていますが、例えば夜間に自動停止すると翌朝に再起動や修理など何らかの対処が必要になります。自動停止が走る不具合の予兆があるため、遠隔監視でこの予兆を確認できた場合に手元のボタンで装置を停止することが可能です。導入以前は停止するにも現場に行く必要がありましたが、遠隔から装置を停止できると、翌朝現場に向かう際に部材を調達して向かうことができるなど、効率良く対処ができるようになります。

電流センサ
圧力センサ
—— 今後の展望やIoT.kyotoに期待することがあれば教えてください。

今後の状況次第ではありますが、遠隔から装置を操作する必要がある場合、SORACOM LTE-M ボタンを流量の調整やポンプのON/OFFなどにも活用したいと考えています。
また、現在納品いただいたIoT.kyoto VISももっと見やすくて操作しやすいUIになると嬉しいです。

まとめ

インタビューでは終始、丁寧にご回答いただきました。また、ご要望も詳細にお伝えいただきましたので、今回お話いただいた内容でIoT.kyoto VISのリニューアルも検討しております。
今回の導入事例ではMORAT GWを使ったデータセンシングに留まらず、SORCOM LTE-Mボタンを活用した双方向通信にも挑戦していただきました。実験装置への導入ですので、期限はございますが、装置の実装までご協力させていただきます。

おまけ:双方向通信テスト動画

以下の動画はボタン押下によりオシロスコープが反応するテスト動画です。

参考記事

ソラコム社のWEBサイトでも導入事例を掲載いただいています。プロジェクトの内容を詳細に説明していただいておりますので、こちらもぜひご確認ください。

IoTで工場の排水処理システムの試験をリモート化。遠隔での監視や緊急対応を可能に